201001 横須賀水中処分隊(38)『YOKOSUKA軍港めぐり』「Κυβερνήτης(technical_routine)」
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2010年1月27日(水)『YOKOSUKA軍港めぐり』にて 海上自衛隊横須賀警備隊「横須賀水中処分隊」の皆様

『201001 横須賀水中処分隊(24)Κυβερνήτης』に続く場面。「cybernetics」の語源とされるギリシャ語の「(船の)舵を取る者」を意味するキベルネテス(Κυβερνήτης)。この日の吾妻島前、「キベルネテス」は、横須賀水中処分隊・隊長である杉山重一3等海佐。真冬の快晴の冴え冴えとした視界に美しく白い波しぶき。処分艇さんの純白の波しぶきを見ていて思い出す事柄があります。今週末よりバンクーバー冬季オリンピックが開幕します。オリンピック発祥の地もギリシャですね。高度な技術を競う4年に1度の「祭典」。大変華やかなイベントですが、出場される選手の方々は我が身を削り、日々厳しい訓練を積まれています。そうでなければ出場出来ません。思い出すのは、スケート選手のエッジが斬る氷。スキー選手の足下から飛ぶ雪。高度な技術を身につけている選手は、通常、氷のしぶき、雪のしぶきは立てません。ですが、瞬時を「制御」する際に見事に飛びます。夏季五輪の水泳の選手もそうですね。見事に美しい「しぶき」は、高度な技術の象徴だと思うのです。自分で試す事も出来ます。お風呂などで、むやみやたらぼしゃぼしゃと無秩序に水をかけば、不格好な水しぶきがあちこちに飛びますし、水しぶきと云うより、大小不規則な水のかたまりが飛び散り、湯船もわやわやしてしまい、厄介な事になる筈です。新米見学者がもし、もしですよ。処分艇さんを操舵出来るような信じられない機会に恵まれたとします。到底、まず真っすぐは進めないでしょう。ぼてぼてうろうろとする筈です。また、「テクニカル・ルーティーン」と云う競技種目も思い出されます。これは、wikipediaの…シンクロナイズドスイミングにおいての記述ですが。

「予め決められた規定要素と呼ばれる技を演技に取り入れて行う。競技者の技術力に重点をおいて採点が行われる。」

以前は、フィギアスケートにも「テクニカル・ルーティーン」があった筈です。現在は、華やかなショートプログラム、フリープログラムのみになっていると思いますが。選手の皆様が華やかなできらびやかな衣装を着てではなく、黙々と予め決められた規定要素を行う。観客も殆どいない会場で。でも、最も重要なのは、「技術力」。技術がなければ、メダルを手にする事は出来ません。この「テクニカル・ルーティーン」にのみ出場される選手の方々もいらした気がします。純粋に「技術を競う」為に。「競う」のではなく、自らの「実力」を確認する為かもしれません。自分は世界基準のどの位置に到達しているのか。どうしても、華やかな場面に私たちの目は行きがちですが、実は「基礎の基礎」「基本中の基本」にこそ、真の美しさや見事さがあるのでは。
by stbrristol | 2010-02-07 19:12 | ┣横須賀水中処分隊


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